愛犬の1日に必要なエネルギー量(カロリー)をどの程度か把握しておく事でドッグフードの給餌量を調整する事ができます。
体重管理や肥満を防ぐ意味でも愛犬の1日に必要な食事量を算出しておきましょう。
ここではワンちゃんの体重や様々な条件に応じた1日の必要エネルギー量の求め方を解説していきます。
安静時エネルギー要求量を求める
犬が必要とするエネルギー量は体の大きさ、活動量によって変化します。1日あたりのエネルギー要求量(DERと呼ばれる)は、まず基準となる安静時エネルギー要求量(RERと呼ばれる)を求める事から計算していきます。
安静時エネルギー要求量を求めてから様々な生活条件を考慮して適した係数をかけて愛犬の1日あたりのエネルギー要求量(DER)を求めていきます。
快適な温度で安静に起きている時、必要とされるエネルギー量を指しています。簡単に言ってしまえば心拍動、呼吸など生きているだけで必要とされるエネルギー量です。
犬の安静時エネルギー要求量の求め方
以下で犬の体重10kgまでの安静時エネルギー要求量の表を作成したので参考にご利用ください。
体重(kg) | RER(Kcal) | 体重(kg) | RER(Kcal) |
---|---|---|---|
1 | 70 | 6 | 268 |
1.5 | 95 | 6.5 | 285 |
2 | 118 | 7 | 301 |
2.5 | 139 | 7.5 | 317 |
3 | 160 | 8 | 332 |
3.5 | 179 | 8.5 | 348 |
4 | 198 | 9 | 364 |
4.5 | 216 | 9.5 | 379 |
5 | 234 | 10 | 394 |
5.5 | 251 | 10.5 | 408 |
小数点以下をより細かく求めたい場合、計算機を使った求め方は以下のようになります。
犬の体重を3乗する
例:3.2kgの場合 3.2×3.2×3.2=32.768
体重を3乗した値に対して√(ルート)を2回まわしていく
例:√√32.768=2.39255805(この値が代謝重量)
√計算した値に対して70をかけていく
例:70✕2.39255805=167.479…etc
3.2kgの犬の場合、安静時エネルギー要求量は約167Kcalとなります。
犬の1日あたりの必要エネルギー量を求める
安静時エネルギー要求量(RER)がわかったら、生活条件に応じた係数をかけて1日に必要なエネルギー量(DER)を求めていきます。
犬の生活条件によるエネルギー係数の目安表
活動量の多い犬 | 1.6〜1.8 |
---|---|
肥満気味の犬 | 1.4 |
ダイエットしたい犬 | 1.0 |
不妊手術済みの犬 | 1.4~1.6 |
高齢期の犬 | 1.1〜1.4 |
生後4〜5ヶ月までの小型〜大型犬 | 2.5〜3 |
生後4〜5ヶ月以降の小型〜大型犬 | 1.6〜1.8 |
当てはまる係数の項目数値を確認したら安静時エネルギー要求量に係数をかけていきます。
1日あたりの必要エネルギー量(DER)が算出されたら、ドッグフードのパッケージにある代謝エネルギーと照らし合わせて1日に給餌する量を算出していきます。
ドッグフードの1日あたりの給餌量の求め方
ドッグフードの代謝エネルギー(カロリー)は商品ごとに異なっていますのでパッケージの栄養値、保証値といった部分に記してあるので確認をしていきます。
確認をしたら以下の方法で1日あたりのドッグフード必要量が算出できます。
1日の必要エネルギー量(DER)÷ドッグフード100gあたりのカロリー✕100=1日あたりのフード必要量
1日に複数回に分けて与えている場合は1日分の給餌量から回数を割って求めていきます。
1日分の給餌量÷食事回数
これでワンちゃんの大きさ、生活条件に合わせた最適目安の給餌量を算出する事ができます。あくまで給餌量の目安を把握する為の計算ですので、与えながらワンちゃんの体調や体型をチェックしながら調整していきましょう。
※出典:環境省-犬のボディコンディションスコア
ドッグフードの給餌量を調整しながら理想体重になるような体型や手触りを意識するように管理していくと良いです。ワンちゃんの理想的な体重、体型は…
※理想体重の状態
過剰な脂肪の沈着がなく、助骨が触れる程度。上から俯瞰した状態で助骨の後ろに少しくびれが見れる状態が理想。横から見た場合は多少の腹部の吊り上がり見て取れる程度。
愛犬の1日に必要なエネルギー量、給餌量を把握して痩せ過ぎず、太り過ぎず適切な体重を維持できるように管理していきましょう。